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2022-06-25

【絵付けテクニック】pebeoポーセレン150/傾斜面の絵付けで絵の具が垂れないようにする3つのコツ

「普段使いの陶器絵付け・スタジオアートピース」の山岡ルイです(^^)

pebeoポーセレン150を使った陶器絵付けに役立つ情報をお伝えしています。

私たちが普段絵付けする陶器は、タイルのような平面のものばかりではありません。むしろ、カップのようにカーブしているものや、お皿のリム(お皿のふちの部分)など、角度は様々ですが傾斜した面へ絵付けする機会のほうが多いかもしれませんね。

こうした傾斜面への絵付けで気をつけたいのが絵の具の垂れ(タレ)です。具体的には、下の写真の一番右のようなトラブルを指します。ポーセレン150は比較的粘度がある絵の具なので、よっぽどでないと分かりやすく垂れたりはしませんが、傾斜のキツい面ではまれに起こってしまいます。

せっかくきれいに絵付けできたと思ったのに、傾斜に沿って絵の具が垂れてしまい、大きく修正しなくてはいけなくなった…なんて苦い経験がある方もいらっしゃいますよね(^^;)平面とは違う、傾斜面の絵付け特有の注意点について解説したいと思います。

傾斜面の絵付けは絵の具が垂れやすい

傾斜面の絵付けで絵の具が垂れる理由は大きく分けて次の2つです。

①傾斜角度

②絵の具の量が多い

それぞれの理由を詳しく考えてみましょう♪

①傾斜角度

一番の理由は、やはり傾斜角度です。カップのように垂直(90度)に近い傾斜はもちろんのこと、お皿のリム部分のように傾斜の緩やかな部分ですら、絵の具が垂れる原因になり得ます。

傾斜角度が大きくなればなるほど、絵の具が垂れる可能性は高くなります。カップは、絵付けする時は寝かせていることが多いと思いますが、全体像や仕上がりを確認するために、割と立たせる機会が多いです。そういう時こそ垂れに注意です!

②絵の具の量が多い

陶器に乗せる絵の具の量が多過ぎる場合も、絵の具の垂れにつながります。下の写真の、右から二番目の点を見て欲しいのですが、一見垂れていないように見えますが、点の上部が薄く、下部が濃くなっています。これは、絵の具の量が多すぎて、重力で下がった絵の具が、点の下部に溜まってしまっているんです。

陶器が傾斜している分、重力の影響を受けやすいので、絵の具が多い=重みで絵の具が垂れてしまうんですね(;;)筆に取る絵の具の量に注意が必要です。

絵の具の垂れを防ぐ方法

こうした絵の具の垂れを防止するにはいくつかの方法があります。どれかひとつの方法を使うのではなく、すべての方法をまんべんなく実践すれば、絵の具の垂れを心配することはなくなりますよ(^^)

傾斜を緩やかにする(なるべく水平を出す)

絵付けする面が、なるべく水平になるよう陶器の傾きを調整しましょう。手で固定するのもいいですが、絵付けに集中するには補助的な道具を導入するのがラクです!陶器と机の間に高さを出せるものを挟み入れ、絵付けする面の水平を維持します。

挟むものは何でもいいのですが、私はカットコットンを入れたり、畳んだティッシュ、娘のヘアゴム(笑)など、本当に何でもいいんです(^^)ゴムのように、摩擦抵抗が大きいものを入れると安定感が増します。

絵付けする面を移動する場合は、下敷きも一緒に移動させ、自分が絵付けしている部分が常に水平に近くなるようにします。

絵の具量を少なくする

傾斜面の絵付けは、水平面の絵付けよりも絵の具量を少なめにするのもコツです。色の濃さが足りなければ、様子を見ながら重ね塗りしていきます。

上の写真でいうと、一番左は薄く一度塗りしています。このくらいの濃度が薄く感じるようであれば、左から二番目くらいのぷっくり感が出るように塗り足してみましょう。絵の具の乾燥が進むと、重ね塗りした時にヨレてしまうことが多いので、重ね塗りはスピーディーにしてくださいね。

絵の具を乾燥させてから次の工程に移る

傾斜面の絵付けの場合、絵付けした部分の絵の具がある程度乾燥しているのを確認してから、次の絵付け工程に移るようにします。水平面はスピーディー&ランダムに絵付けできますが、傾斜面は絵付けの順番を多少計算しながら進める必要があります。

例えば次のようなカップの場合、ピンクの絵の具で絵付けしている時は、すべてのピンク面を一気に塗る方が効率がいいですよね。

ですが、一ヶ所を絵付け直後に、カップをくるりと回して絵付けすると、先ほど絵付けした部分に角度ができて、絵の具が垂れてきてしまうことがあるんです。少しじれったい気もしますが、今目の前にある面の絵の具が乾いていることを確認してから、陶器を回して違う面を絵付けしましょう。場合によっては「同じ色(ピンク)を一気に塗る」のではなく「目の前の面にあるピンク・緑を塗る→違う面のピンクと緑に取り掛かる」方が良いこともありますよ(^^)

カップの場合、絵の具を乾燥させている間ずっと手で支えるのは大変です。そういう時もやはり下敷き代わりのものを挟んでおけば、手が自由になります。

まとめ

絵付け中の絵の具の垂れトラブルについて、対策をお伝えしました。

・傾斜を緩やかにして、水平を出す

・絵の具量を少なくする

・絵の具を乾燥させてから次の工程に移る

これを意識するだけで、絵の具の垂れを防止・絵付けのクオリティを上げることができます(^^)傾斜面の絵付けは、絵の具の垂れだけでなく、筆の扱いも難しく感じることがあります。補助具もうまく使いながら、作品を仕上げてみてくださいね!

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