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気負わず楽しむ、陶器絵付けの教室です。
2022-06-14

【絵付けテクニック】筒状の陶器にバランスよく絵付けする方法(後編)

「普段使いの陶器絵付け・スタジオアートピース」の山岡ルイです(^^)

pebeoポーセレン150を使った陶器絵付けに役立つ情報をお伝えしています。

絵付けをする陶器には、様々な形があり、コーヒーカップのような立体(筒状)の陶器の絵付けも大変人気です。前回の記事では、こういった筒状の陶器をぐるっと囲むライン模様の描き方を解説しました。ライン模様とは、次の写真のように陶器のカーブに沿って帯状に絵付けされた柄のことです。

後編では、このように帯状に連なったデザインではなく、ワンポイントの柄をバランスよく描くコツをお伝えしたいと思います(^^)

ワンポイント柄を描くときに気をつけること

ワンポイント柄は、次の写真のようにひとつの柄が独立して描かれているものです。

ライン模様に比べるとチャレンジしやすいワンポイント柄ですが、絵付けのときに気をつけたいのは次の3つです。

①ワンポイント柄を複数並べるときのバランス

②陶器の形状が逆台形の場合の、デザインのボリューム

③陶器の形が逆台形の場合の、デザインの配置

早速、ひとつずつ解説していきます(^^)

①ワンポイント柄を複数並べるときのバランス

ワンポイント柄を横に複数並べて描きたいとき、それぞれの柄の上下の位置が揃っていて、また各柄の中心が同じ線上に並んでいると、美しく見えます。

上下の位置、中心については、カーボン紙を使って陶器に基準点を打っていけば、ある程度揃えることができます。

上の写真のような基準点を、デザインの上限・デザインの中心・デザインの下限位置に打つことで、ワンポイント柄を横に並べて描く基準ができますよね。基準点に沿って絵付けしていけば、ある程度は柄の足並みを揃えることができますが、筒状の陶器は全体を見渡せない(必ず目視できない部分がある)ので、すべての柄をぴったり横並びに描くのは結構大変です。なんとなく絵柄がズレている気がして、ひとつ描き直して…と繰り返していると、いつまでも作品が完成しません(^^;)

なので、ワンポイントの柄を横に複数並べるときは、いっそのことひとつひとつのモチーフを離して、一方向から見える柄がひとつになるよう調整すると、多少のズレが気にならなくなります。

こちらのカップは同じ柄を3つ横に並べていますが、視界に入る柄がほぼ1つなので、上・中心・下位置が多少ズレていたとしても目立ちません。一般的なカップであれば、横に2つか3つの柄を並べるとバランスよく納まるはずです(^^)

②陶器の形状が逆台形の場合の、デザインのボリューム

陶器の形状には、陶器の上から底部分までがまっすぐの寸胴タイプ、陶器の真ん中部分が膨らんだタイプなど、様々な種類があります。最もメジャーなのが、マグカップのような寸胴タイプと、台形を逆さまにした逆台形タイプではないでしょうか。

この逆台形タイプは、陶器の底に向かって傾斜がついています。そのため、絵付けしたデザインの下部分が小さく見えます。イメージを使ってお伝えすると、真正面から見たデザインを前方に傾けると、デザインの上部分が大きく&下部分が小さく見えますよね。

(真正面から見た図)
(前方に傾け、逆台形を再現した図)

これを逆台形タイプの陶器に再現すると、デザインの下部が寂しく見えてしまいます。そのため、逆台形タイプの陶器に絵付けする際は、デザインの下部にボリュームを持たせることで、全体のバランスがよくなるんです(^^)

デザインの下にボリュームを出し、下部分が小さく見えてしまうのを抑えています。

③陶器の形が逆台形の場合の、デザインの配置

また、同じく逆台形タイプの陶器についての注意点ですが、柄の配置は全体的に少し上寄せに描くとバランスがよくなります。

これも②と同じく、陶器の形状による見え方の違いです。陶器が底部分に向かって細くなっているので、デザイン全体が下寄りに見えます。この見え方を補正するため、デザインの配置をあえて上寄りにするんです(^^)

まとめ

カップや花瓶、カトラリー入れなど、立体の陶器に絵付けできるようになると、絵付けの幅が一気に広がり、絵付けがもっと楽しくなります!デザインを帯状に並べたライン模様に比べ、ワンポイント柄はチャレンジしやすそうに感じるかもしれませんが、いくつか押さえて欲しいポイントがあるので、紹介させていただきました。

①ワンポイント柄を複数並べるときは、ひとつひとつのモチーフを離して描く

②陶器の形状が逆台形の場合、デザインの下部にボリュームを出す

③陶器の形が逆台形の場合、デザインは上寄りに配置する

立体物特有のポイントを押さえ、更にレベルアップしてしまいましょう!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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