【絵付けテクニック】〜pebeoポーセレン150〜余白は○○で埋める!デザインを上品にまとめるコツ
こんにちは、山岡ルイです^^
pebeoポーセレン150を使った陶器絵付けに役立つ情報をお伝えしています。
今日は「余白は○○で埋める!デザインを上品にまとめるコツ」ということで、
絵付けをしていると、作品にたくさんの”余白”ができてしまい、全体的にスカスカした印象になってしまった…ということ、ありますよね。そして、余白を埋めるためにデザインを足していって、今度は盛り過ぎて(!?)予想より派手になってしまうこともあります^^;
困った余白を適度に埋め、デザインを上品にまとめていくコツをご紹介しますね。
意外と困る余白処理。あなたはどうする?
先日のオンラインレッスン中、横長のウェルカムサインの作り方をお伝えしていて、私の手元のタイルは最終的にこんな感じになっていました。
※指導用なので、実験的なことも試しており、ごちゃごちゃしているのはご容赦ください(苦笑)
生徒さんが作ったデザインにあわせ、文字の周りを草花が囲っているコンセプトで、筆が進むままに絵付けしたんです。
メインになっているモチーフは、ピンクや白のお花ですよね。これらメインモチーフを引き立てるため、モチーフの周りを葉っぱで囲いました。…余白を埋めるのに効果的な働きをするもの、お分かりですか?
余白は「脇役」で埋める!
作品のメインになるような印象的なモチーフ(この場合「お花」)。それに対し、余白を埋め、全体的なバランスを取る役割を果たすのは「脇役」なんです。
脇役なんです。(…2回目。笑)
例えば、メインになるモチーフを余白にたくさん描き込んでしまうと、迫力があり過ぎてお腹いっぱい感が出てきますよね(笑)逆に、脇役であれば、ある程度たくさん描かれていても画面がうるさくなりません。
脇役を効果的に使うために気をつけたいポイントは
①メインに関連性の高い脇役を選ぶ
②全体のバランスを俯瞰で見ながら描き入れていく
の2つです。
実例を紹介しながら説明しますね。
ポイント①:メインに関連性の高い脇役を選ぶ
脇役に使うモチーフは、メインのモチーフに関連性の高いものを選びます。
今回は「メイン→お花、脇役→葉っぱ」ですよね。他にもお花の脇役に使いやすいのが「つぼみ」「唐草模様」などです。すべて「植物」というカテゴリーの中にあり、お互いに関連性が高いモチーフになります。
他にも「メイン→月、脇役→星」「メイン→わんちゃん、脇役→足あと、おしゃぶり骨」みたいな組み合わせもいいですよね。
ここで「メイン→わんちゃん、脇役→魚」という組み合わせにしてしまうと、デザインの一貫性が薄れ、逆効果になることも。決して悪いわけではないですが、作品をパッと見たときに関連性を感じるほうが、安心します。
※魚といったら「猫ちゃん」の方が何となくしっくりきますよね^^
また、脇役には「小さな模様」も大活躍します。例えば私が去年制作したクリスマスオーナメント。
ゴールドのドットを全体に散らしていますが、このドットが、華やかだけれど主張しすぎない脇役の役目を果たしてくれました。余白が適度に埋まり、作品としての完成度もアップしています。ドットの他にも「ボーダー」「チェック」など、模様というよりは背景的な立ち位置で使えるモチーフは多いんです。
ここで一度、メインと脇役の関係性をまとめると、
メイン→主役・核になるデザイン、大きなモチーフ、一番アピールしたいもの
脇役→メインモチーフと関連性が高い、悪目立ちしないモチーフ
となるかと思います。
ポイント②:全体のバランスを俯瞰で見ながら描き入れていく
脇役の役割は、メインのモチーフを引き立てつつ、画面が適度に華やかになるようまとめることです。全体的なバランスは、メインのモチーフというよりむしろ脇役の描き方で決まってきます。そのため、脇役を描き入れるときは、作品全体を俯瞰でみるタイミングを意識的に多く取ってください。
ここからは実際の作業を見ながらのほうが分かりやすいと思うので、小さいタイルとお花柄を使いながら説明しますね^^
<実例>お花と葉っぱをタイルに絵付けしよう
まずは、メインになるオレンジの花を描きます。モチーフの量が足りないと感じれば、都度足していけばよいので、ひとまずこれくらい描きました。
次に脇役となる葉っぱを加えていきます。
<描く順番>
脇役の中にも「大きいもの」「小さいもの」があり、先に大きな脇役から描いていくと良いでしょう。まずは大きな脇役を描き、不自然に空いたスペースを更に小さな脇役で埋めるイメージです。
※小さな脇役は、色も薄めに描くなど主張しすぎないようにするとメリハリが出てきます。
<配置>
ひとつのモチーフから、大体30°~45°くらいの位置に次のモチーフを描くと、バランスが取りやすいです。
また、人それぞれ描きグセのようなものがあり、気づくと同じ方向を向いたモチーフを描いてしまいがちになります。意識的に逆方向・三方向・四方向にモチーフを向けると、安定感が出てきます。
ひとまず大きな脇役を配置し終えたところです。全体を俯瞰してみて、スカスカしているところを更に小さな脇役で埋めていきます。
小さな脇役は、大きな脇役より色を薄めにします。特に今回は大きいものも小さいものも同じ色を使っているので、サイズごとに色の濃さを変えることでメリハリが生まれます。
最後にまた全体のバランスを確認します。
葉っぱを描くとき特に注意したいこと
私自身、花と葉っぱはよく題材にしますし、植物柄がお好きな方は多いと思います。そこで、葉っぱを描くときに私が気をつけている3つのポイントもご紹介しますね。
・葉っぱらしく描く
当たり前といえば当たり前すぎるのですが(笑)、葉っぱは葉っぱらしく、葉脈や繊維の流れを意識して描きます。
筆先にたっぷり絵の具を取り、筆先が少し曲がるくらいタイルに押し付け、液だまりを作ります。そこから一気に筆先を引いて、1枚1枚の葉っぱを描いていきます。
左はより「葉っぱらしさ」を意識し、右は丸く塗りつぶして描きました。描き方によって微妙に印象が変わりますよね。
テイストにもよりますが、左の方がより葉っぱらしく感じます。右はポッテリしていて、見ようによってはお花っぽくもなりますよね。メインのお花(実物)の葉はどういう形をしているのか、写真などで確認して、より実物に近い表現を目指すと良いでしょう^^
・どの主役(メイン)につながっているのか意識する
自分が今描いている葉っぱは、どのメインモチーフから出てきているものか、を意識するようにしています。写真の葉っぱたちも、それぞれが特定の白い花へつながっています。葉っぱを突拍子もない方向へ向かわせるのではなく、あくまで「このお花の葉っぱです」という意識で描くと、まとまりが出ますよね。
・葉っぱの厚み/サイズ/色の濃さで遠近感を出す
同じ茎や枝から出ている葉っぱでも、近くにあるものは大きく・濃く描き、反対に遠くにあるものは小さく・薄く描くことで、遠近感と躍動感が出ます。左右どちらにも葉っぱを描かずとも、片側だけを描いた葉っぱを入れるのもオススメです。
・ところどころ、茎や枝を描くと葉っぱらしさアップ
全部の葉っぱに茎や枝を描き入れるとうるさくなってしまいますが、ところどころに茎や枝のラインを入れると、より葉っぱらしさが増します。
まとめ
作品の余白はバランスが重要です。余白がありすぎても落ち着かないし、埋まりすぎていると窮屈で「やりすぎ感」が出てきてしまいます。脇役を上手に使って、自分の目指すベストバランスを探っていきましょう^^
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