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気負わず楽しむ、陶器絵付けの教室です。
2022-05-13

絵付けのスキルを向上させる方法

「普段使いの陶器絵付け・スタジオアートピース」の山岡ルイです^^

数年前になりますが、「色」についての知識を得るために色彩検定を取りました。その時に最低限の知識は身につけたつもりですが、最近また「色」についての学びを深めようと勉強中です。

こうした絵付けに関連する知識は、レッスンで生徒さんに還元できるのが一番ですが、生徒さんに伝えるor伝えないは別として、「私が知っておくこと」が大切だと思うんです(^^)そもそも「知ること」が好きな私は、「理由」「理屈」に安心するタイプ。本などから得た基本的な理屈や法則を、自分で実践して体得していく過程はとても好きな作業のひとつです。

どっしりとした基礎知識が身についていれば、軽やかに応用することができます。手探りで模索するのも全然悪くないですが、最初に基礎を押さえておくと、理想とする答えに結果的に無駄なく到達できたりするので、一見地味な基礎学習の時間を意識的に取るようになりました。

それにしても、(「色」に限らず)世の中には自分の知らないこと・学べることの何と多いことか!学ぶって楽しいですよね♪

スキルの停滞・頭打ちを感じたら、一旦立ち止まろう。

絵付けをしている時、

「◯◯の技法、もうちょっと上手くなりたいな」

「こんな表現方法はできないかな」

と感じる事はありませんか?

または、

実現したい、でも自分にとっては難易度の高そうな表現を、今持っているスキルだけでどうにかしようとして、仕上がりに満足できなかったり、結局失敗してしまった。

なんて経験はないでしょうか。私は、たくさんあります(笑)

自分のスキルに物足りなさや歯がゆさを感じたら、時間を確保して、スキルを磨くタイミングかもしれません(^^)

この点について少し突っ込んだ話をしたいと思うのですが、TED(テッド)というアメリカのプレゼン番組をご存知ですか?毎回違うゲストがプレゼンターになり、人の役に立つアイディアを講演する番組です。日本でも放送されているので、一度は見た事がある方が多いのではないでしょうか。

私も昔たまに見ていたのですが、「自分に必要なスキルを向上させる方法(by エドゥアルド・ブリセーニョ氏)」についての回が印象的で、今でも時折思い出しては励みにしています。絵付けはもちろんのこと、仕事や生活のちょっとした場面でも役立つアイディアだと思うので、ぜひ紹介させてください!

自分に必要なスキルを向上させる方法

このプレゼンの中では、人が何かしらのスキルを向上させたいと思った時、「学習ゾーン」と「パフォーマンスゾーン」を意識的に切り替え、ゾーンに合わせた努力をする必要がある、と説明されています。一見、当たり前に感じる方法かもしれませんが、努力の方向性が間違っていたり、雑な努力に終始していて欲しい結果が得られないというケースは案外多いもの…。「意識的な努力の切り替え」について、もう少し深堀りしますね(^^)

「学習ゾーン」=学び、トレーニングし、失敗するゾーン

まず「学習ゾーン」ですが、学習ゾーンにいる時は、新しい事を学んだり、今までやってきた事の改善に集中します。目的は「上達」で、たくさん失敗する事も大切です。

絵付けで言うと、新しい技法にチャレンジする、克服したい技法を集中的にトレーニングする、分からない事を調べる・人に聞くなどして解決する、手を動かして技法を体得するタイミングですね。

・絵の具を使って文字を書くのが苦手なら、文字だけを繰り返し練習する

・筆のコントロールに苦手意識があるなら、その克服に集中する

・立体物への絵付けをひたすら反復する など…。

学習ゾーンで大切なのは、

・上達させたいスキルを絞り、明確にしておく(一度にたくさんのことに取り組まない)

・繰り返しトレーニングして、積極的に失敗し、結果の分析と調節を続ける

・可能ならば人からフィードバックをもらう

ことです。試行錯誤して、スキルを身につけ、使いこなせるよう努力するゾーンですね。

「パフォーマンスゾーン」=最良のアウトプットをするゾーン

学習ゾーンを抜けたら、今度は「パフォーマンスゾーン」に移ります。身につけたスキルを駆使し、最良の形でパフォーマンスするのが目的なので、ここでは失敗を最低限に抑えます。

絵付けで言うならば、まさに絵付け本番!理想的な作品を完成させるため、自分のスキルをフルに使って絵を具現化するゾーンです。

パフォーマンスゾーンでは、質の良いアウトプットに注力することが大切ですよね。この時のために地道な学習ゾーンを経てきているわけですから(^^)

パフォーマンスゾーンにばかり取り組んでも質は向上しない

自分に必要なスキルを着実に向上させる人は、学習ゾーンとパフォーマンスゾーンを交互に行き来し、

・今、自分はどのゾーンにいるべきか

・ゾーンに合わせた努力をしているか

を意識しているそうです。人は、放っておくと、すぐに結果が見えるパフォーマンスゾーンに居続けてしまいます。じっくり腰を据えてスキル上達に時間を使うより、実践・本番を重視してしまうんですよね(;;)

身に覚えがありすぎる(笑)結果重視・スピード重視の社会の雰囲気にも問題がありそうです。

でも、アウトプットの質を上げるのは「学習ゾーン」への取り組み。例えば私は今「色」について勉強していますが、数年前に取得した色彩検定の知識だけで止まっていると、まず記憶が薄れますし、古い知識のまま、雑で感覚的な思考に頼って作品を作ったり、果ては生徒さんに指導しちゃったりするわけで…(^^;)人に何かを提供する立場ならなおさら、学習ゾーンをおろそかにするのは危険ですよね。

学習ゾーンで必要なスキルを身につけて、パフォーマンスゾーンでアウトプットして、また必要なスキルを見つけて学習ゾーンで習得して…という流れは、この先もずっと繰り返していくのでしょう(^^)

絵付けを始めて一定期間が過ぎたら、今の自分のスキルと理想像を見比べ、足りないと感じる部分を底上げする時間を確保してみてください。面倒で退屈に感じるかもしれませんが、最終的には絵付けの完成度アップという形で必ず自分に返ってきますよ。

まとめ

学習ゾーンとパフォーマンスゾーンの意識的な切り替えで、スキルを向上させるコツを紹介させてもらいました。

・今、自分は学習しているのか、それともパフォーマンスしているのか

・2つのバランスに偏りはないか

・学習しているなら、何を得たいのか(何を克服・上達したいのか)

・学習ゾーンでは、失敗を歓迎する

私も気を抜くとすぐにパフォーマンス一辺倒になりがちなので、やっぱり「意識的に切り替える」というスタンスが大切ですね(^^;)

「絵付けが上手くなりたい」「今の自分のレベルに満足していない」と感じるならば、一度立ち止まって学習するための時間を確保してみてくださいね♪もし、取り組むべきポイントを見つけられない、という場合は、私のような講師・トレーナーに相談しましょう。解決への糸口がきっと見つかりますよ!

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